忘れなければ、生きていけなかった。定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。心揺さぶる、愛と真実の物語。

あらすじ

著者:浅田次郎
価格:本体1,500円(税別)
刊行:11月30日
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『おもかげ』

忘れなければ、生きていけなかった。

定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。

 主人公の竹脇正一は、昭和26(1951)年生まれの65歳。商社マンとして定年を迎えたが、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、集中治療室に運びこまれた。

 同期入社で今や社長となった堀田憲雄の嘆き、妻・節子や娘婿の大野武志の心配、幼なじみの大工の棟梁・永山徹の思いをよそに、竹脇の意識は戻らない。彼らを見守る看護師・児島直子は、竹脇と通勤電車で20年来の顔なじみでもあった。

 一方で、竹脇本人はベッドに横たわる自分の体を横目に、奇妙な体験をする。マダム・ネージュと名乗る老女と食事に行き、静と呼ぶことにした女性と夏の入り江で語らう。集中治療室で隣のベッドにいる患者・榊原勝男とは、銭湯に行き、屋台で酒を飲んだ。

 最初は彼女らのことを妻の知り合いだと思っていた竹脇だが、死に至るまでには肉体から解放された不思議な時間を経験するのではないかと考え始める。やがて、竹脇は自らの〈過去〉と思わぬかたちで再会する――。

作者コメント

 同じ教室に、同じアルバイトの中に、同じ職場に、同じ地下鉄で通勤していた人の中に、彼はいたのだと思う。

浅田次郎

書店員の声

  • 最後の最後で、もう堰が切れたように、止めどなく涙がこぼれ出ました。

    ―書泉ブックタワー 江連聡美さん

  • 待たされる人間の「こうあってほしい」という願いが書かれた物語。

    ―明屋書店フリーモールわさだ店 尾花祐子さん

  • 定年という人生の節目に起こった奇蹟の物語には、これから定年を迎えようとしている人、もしくは定年を終えた人すべてに浅田流のメッセージが贈られている。

    ―萬松堂 中山英さん

  • 年齢を重ねてから読み返すのが楽しみな作品です。

    ―MARUZEN松本店 田中しのぶさん

  • 他人からは平凡に見える人でも、忘れてしまったいろいろな思いがある。
    気持ちの忘れ物を人生の後半に拾えたら幸せかも知れない。

    ―ジュンク堂書店三宮店 三瓶ひとみさん

  • 単調な日常が愛しくなる小説でした。

    ―有隣堂アトレ恵比寿店 酒井ふゆきさん

  • つい自分の人生も重ね合わせながら読んでしまいます。

    ―文教堂書店浜松町店 木村慶治さん

  • 思い出は美し過ぎて、時に切なく哀しい。
    ラスト6ページで泣かない父親はいない!

    ―大垣書店高槻店 井上哲也さん

  • この物語のような生き方の人がいるかもしれないと思うと、
    地下鉄や通勤ラッシュの捉え方が変わるかもしれません。

    ―有隣堂アトレ目黒店 高橋美羽子さん

  • 走馬灯のようにかけがえのない記憶があふれ出る極上のファンタジー。

    ―三省堂書店営業企画室 内田剛さん

  • 読後、何気なく生きている毎日がキラキラと輝き出す。
    これまでに出会った様々な奇跡に感謝の気持ちが止まらない。

    ―水嶋書房枚方市駅店 松田えりこさん

  • 死の淵で見た、大切な人たちの想いに無上の愛を感じました。

    ―虎ノ門書房本店 吉岡英昌さん

  • 親子の深い情愛、浅田作品にまたひとつ。

    ―ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店 大江佐知子さん

  • 読み終えた時の幸福感を押さえ切れず、思わず唇を強く噛みしめていた。

    ―虎ノ門書房田町店 根本隆仁さん

  • 一日一日を大切に、感謝の気持ちを忘れず過ごすことの喜びを教えてくれた。

    ―紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん

  • 普段触れないような心の琴線に触れたのかもしれない。
    読了した後、思わずタイトルから読み直した。

    ―ジュンク堂書店松山店 木﨑麻梨子さん

  • 浅田さんが見せてくれる奇蹟は、いつもとても心地よい。
    きっと誰もが思っていることを、形を変えて問いかけてくれているのだろう。

    ―有隣堂伊勢佐木町本店 佐伯敦子さん

  • ラストで胸にじんわり広がる温かさは格別。
    浅田次郎さんの人を見つめるまなざしは優しい。

    ―大垣書店イオンモールKYOTO店 辻󠄀香月さん